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最新記事【2007年03月05日】

前立腺がんは肥大症とともに、中高年の男性においてかかりやすく、注意すべき前立腺の病気のひとつといえます。前立腺がんの発生には男性ホルモンが関係していると言われていて、加齢によるホルモンバランスの変化ががんに少なからず影響しているのは事実のようです。

前立腺がんは主に外腺(辺縁領域)に発生しまし、ほかの臓器などのがんとは異なり、ゆっくり進行していくものが大半ですので、早期発見がしやすく、発見できれば他のがんより治りやすいがんであるといえます。

前立腺がんは、他のがんと比較した場合に大きく異なるいくつかの特徴があります。まず、先ほども少し書きましたが、一般的にがん細胞の進行は早いものに対し、この前立腺がんの進行はゆっくりしているということ。

次に、前立腺がんは男性ホルモンが活発で多量な方に発症しやすいということ。逆に男性ホルモンがなくなるとがんが死んでいくということ。そして、多くの方に前立腺がんになる可能性があるということ。現在日本ではまだ前立腺がんはそこまで多い割合ではないですが、アメリカなどの欧米では、がんの発症率は前立腺が1位です。

60歳以上の中高年に多いがんですので、今後高齢化が進むと、前立腺がんの患者も増えていくのではないでしょうか。

前立腺の病気で前立腺がん以外にかかりやすい病気で肥大症がありますが前立腺がんとは何がちがうのでしょうか、肥大症は、前立腺の病気のなかでもっとも多くみられる病気で、前立腺の肥大には、加齢によるホルモンバランスの変化が影響するものと考えられています。

前立腺がんとの大きな違いは腫瘍が良性か悪性かの違いです。前立腺肥大症は内腺に発生する良性腫瘍で、周囲に広がったり、骨や他の臓器に移転することはありませんし、前立腺肥大から、前立腺がんに進むことは、現在のところないと考えられています。

前立腺がんは他のがんに比べ早期のがん特有の症状などはありません。ですので、初期の段階においては、自覚症状がほとんどないため、発見が遅れることがあります。前立腺がんが進行すると出てくる代表的な症状は

・尿がでにくい
これは前立腺がんにより尿道が圧迫されることによって起こる症状で尿が出にくいほかにも残尿感などを感じる場合も多々あります。

・排尿時に痛みを伴う
前立腺ががん細胞に侵されることで尿道を覆っている形になっている前立腺から尿道が影響をうけて排尿時に痛みを伴う場合があります。

・尿や精液に血が混じる
こちらも前立腺がんで細胞が破壊され、その際に出血し、尿や精液に血が混じることがあります。

これら以外にも、前立腺がん症状はあります。特に排尿時などの違和感はそこまで気にしないこともあるかもしれませんが、違和感を感じたら、なるべく早く医師に相談して早期発見できるように、検査を行いましょう。

ほかにも前立腺がんが進行すると、臀部と腰の骨を中心とした体内のほかの部位にまで転移することがあります。その場合、骨に転移したら骨痛があらわれたり、他移転した部位で自覚症状が現れることがあります。前立腺がんは自覚症状が出にくい為、早期発見が難しいので、必ず定期健診などを受けるようにしましょう。

ステージング

ステージングとは、前立腺がんに限らずがんの進行度に使われる医学用語のことで、ステージA~Dまであります。前立腺がんでいうステージAは臨床的には前立腺がんと診断されないレベルでたまたま発見されたがんのことです。

ステージBはまだ前立腺内だけにしかないがんのことです。
ステージCは前立腺の周囲にまで浸潤している状態です。
ステージDは転移している段階のことです。

一般的には、ステージⅠ、ステージⅡなどと表示されます。 前立腺がんの症状が現れるのはステージⅡからが大半で、ステージⅠは定期健診などで、たまたま見つかったがんが大半です。

前立腺がんは症状のあらわれにくいがんなので、定期健診などをしっかりやることと、少しでも排尿時などに違和感を感じたら、病院に行って検査をする事が大切になってきます。

前立腺がん早期発見

前立腺がんに限ったことではないですが、がんを克服できるかどうかはどれだけ早くがんを発見できるかが重要になってきます。前立腺がんは症状が出る前の早期のうち発見できるのが理想です。

前立腺がんは早期に発見できて、ちゃんと治療すれば完治も期待できるがんですので、50歳以上の前立腺がんのリスクが高まる年代の人は定期的に健康診断を受けることが非常に大切です。

他にも前立腺がんには遺伝も多少関連しているようですので、自分の家族で前立腺がんにかかっている人が居る人は、40歳ぐらいから定期健診を受けるようにしましょう。

前立腺がん・スクリーニング検査

前立腺がんの診断には「スクリーニング検査」を行います。スクリーニング検査とは、前立腺がんの可能性がある人を見つけるための検査のことで、スクリーニング検査によってがんが疑われた場合には、次にがんの「確定診断」を行います。

ここで前立腺がんが確定された場合には、続いて「病期診断」を行い、がんの進行度(広がり)を確認することになります。診断のながれ、検査の順序、方法については、施設によっても異なりますので、検査を受けようと思っている方はその病院に直聞いて見えるのがいいでしょう。

前立腺がんの疑い

泌尿器科医にかかり、前立腺がんの疑いがあると指摘される場合の多くは、人間ドックや定期健診などで症状はまったくないのに、PSA(前立腺特異抗原)の数値が高いと指摘された場合が一番多いようです。この例でもそうですが、症状が出ないと自覚はできません。症状が出てからでは遅いので、少しの不安があったら必ず医師に相談してみましょう。

次に前立腺がんの発見が多いのは、何らかの理由で泌尿器科医にかかり、たまたまPSAを測定したところ高値であったなど、PSA高値ががん発見の大半を占めます。前立腺がんそのものによる排尿障害や転移の症状から前立腺がんの疑いがあると指摘される事は少なくなってきています。

前立腺がんを治すには、「手術療法」、「放射線療法」、「内分泌療法(ホルモン療法)」など、さまざまな治療方法があります。治療法は患者にあった治療法をそれぞれ単独、組み合わせて行われます。

治療法は、前立腺がんの進行度(広がり)や悪性度、また、患者さんの全身状態、年齢などいろいろなことを考慮され、十分な話し合いのうえ、より最適な方法を選択することになります。前立腺がんを治す際は主治医とよく相談の上、納得のいく治療法を選択するようにしましょう。

下記は前立腺がんの治療に代表される治療法です。

放射線治療

放射線療法は、前立腺に放射線を照射して、がん細胞を死滅させる治療法の1つです。手術療法と同様、がんが前立腺内にとどまっている病期 I 、II 期の患者さんが対象になる治療法です。

放射線療法の特徴は、体を切る手術とは違うので、身体、体力的負担が非常に軽いので、70歳以上などの高年齢の患者さんでも治療を行うことができます。他にも放射線療法は前立腺がんを死滅させる目的だけでなく、転移したがんによる痛みを除くことを目的として治療を行うこともあります。

抗男性ホルモン剤

抗男性ホルモン剤での治療は、前立腺がん細胞内において男性ホルモンを抑制することで、ジヒドロテストステロンがアンドロゲン受容体と結合するのを阻害することで、男性ホルモンの作用発現を抑える薬剤であると同時に、前立腺がん細胞を縮小させる作用ももっています。

抗男性ホルモン剤の副作用としては、女性化乳房、ほてり、性欲の低下、勃起障害、肝機能障害などがあらわれることがあります。前立腺がんの治療に使う抗男性ホルモン剤は単独で用いられる場合と、LH-RHアゴニストもしくは精巣摘除術に併用して用いられる場合もあります。

化学療法

化学療法は、抗がん剤を使用してがん細胞を攻撃し、死滅させる治療法です。一般的に前立腺がんは進行が遅いがんですので、前立腺がんにおける化学療法は、ほかの治療法では効果が得られない進行したがんに対してのみに行われます。

抗がん剤を単独または併用して投与することによって、前立腺がんの縮小効果が現れることがありますが、抗がん剤には脱毛、吐き気、下痢、骨髄抑制などの強い副作用もあります。

TURP

TURPとは経尿道的前立腺がん切除術の略称で、前立腺の全摘出手術が行えない患者さんに対して行われる手術で、小さな電気メスの付いた内視鏡を尿道内に入れ、その電気メスで腫瘍を切り取っていく手術方法です。

この手術は前立腺がんや前立腺肥大の影響で起こされる排尿障害をTURPを用いることで尿道を広げていきます。この手術方法はどちらかというと前立腺がんより前立腺肥大の手術に用いられることが多い手術方法で、前立腺がんの手術で用いられた場合は、手術後、内分泌療法で治療が行われます。

経過観察

前立腺がんの治療法の1つに経過観察という方法があります。これは、なんら治療せずに厳重に経過観察のみを行なう方法です。前立腺がんの治療には様々な方法がありますが、全ての治療法にはそれぞれ副作用が必ず伴います。

ですので、現在の生活の質を大切にしたい場合、前立腺がんが微少で病理学的悪性度が低い場合、前立腺がんの症状のない超高齢者の場合などが適応となります。病状の進行が早くなったりした場合などには治療を開始しますが、前立腺がんは一般的に進行が遅いためこの方法が適応となる患者さんはそれほど少なくありません。

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